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2007/10/10 良い(+1 pnt) by どうか Kappa と発音してください。
死んだ人たちが天国に向かう前の1週間に、生前の思い出から大切な思い出を映像として制作する話だ。必ずといっていいほど、自分ならと観賞者は考えるであろう。そこですぐに思いつくことができても、できなかったとしても幸せだったかどうかということの目安ではない。思い出を通して自分が生きてきたということはどういうことだったのかを問い詰めるだけに過ぎない。それが幸せなことだけではなく、悲しみに裏打ちされた思い出の場合もあるのだ。

作品ではオーディションで一般の人を出演させたり、ドキュメンタリーっぽいインタビューがあったりと、幻想的な内容にリアルな人間の思い出を掘り起こそうとしている。この方法が面白くもあり、つまらないものになっている原因でもある。語られる話に引き込まれるか、共感や感動があればいいのだが、まったく興味のない話を長々と聞かされれば、いきなりつまらないものになる。しかもそこに使われる時間が相当あるからなおさらだ。
が、そこに映画としての物語も用意されている。望月(ARATA)と彼の婚約者であった女性の夫(内藤武敏)との絡みだ。お互いにその事実に気が付くのだが、そのことをお互いに口に出さず、夫は望月にそのことを気づいたことを書いた手紙を渡す。思い出を通しての三角関係が切ない。誰一人生きておらず、何か語ることも意味を持たず、ただ一人の女性の心の奥底にあったであろう本音が垣間見れる場所に彼らは居合わせている。そこで夫のみならず、これまで思い出を見つけることができなかった望月までもが思い出を選ぶことを決意する。やはりそれは幸せであり、残酷でもある。そして、アシスタント(小田エリカ)が望月を思う気持ちも、また思い出としてあろうとする。その出来事一つ一つが大切なものになっていく様が感じられるのだ。

で、ラストにみんなでその制作された映像を観て、天国に行くのだが、その映像を鑑賞者は見ることができない。これがまた、その映像がその人にとってのみの思い出としての価値を高めているようで感慨深い。

取り扱った題材は面白く、全体の作りもかなり独特の空気があり、余韻が残る作品になっている。が、その地味なつくりが、観賞直後には感動として高まってこないのだ。観賞後しばらくたち、ふと思い出したかのように、登場人物たちの表情や、ひとつひとつの台詞や景色の断片が思い出のように残されたかのように蘇ってくるのだ。


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