蜘蛛の糸:画像/壁紙[小説][他形式: 携帯版] |
| 文学総合点ランク=平均点x評価数 | 40位/3,065作品中 (総合42.00) | 39位 <= =>41位 |
| 文学平均点ランク(評価10個以上作品対象) | 151位/231作品中 (平均1.05(良い)) | 150位 <= =>152位 |
| 1918年文学総合点ランク | 1位/10作品中 | =>2位 |
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| 直近発売の音楽: 2012/03/21 (): | 蜘蛛の糸(通常盤) | 2,310円 |
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| 2012/05/10 良い(+1 pnt) by cipherxx 非常に日本人的な心情を表した作品です。 日本で発達した大乗仏教では、御仏の慈悲に縋れば罪人も許されるという母性的な考えが中世以降主流となりました。釈迦が全てを包み込み、罪をも許す"母性"を表す女性の姿形を取っているのも象徴的です。またこうした母性的な考えから派生した衆生の為に自己を犠牲するという価値観も尊ばれてきました。特に、中世にベストセラーになった経典「大般涅槃経」では、虫けらと言えども生あるものすべてに仏性があると説いています(一切衆生悉有仏性)。カンダタはその観点からすれば蜘蛛を救った時点で、十分救われるべき存在となったのかもしれません。 しかし、その後、蜘蛛の糸を昇る際に、カンダタは同じ場に所属する仲間を見捨て、貶し、自分だけ助かろうという行為をします。これは日本的な皆一緒という「場の倫理」を汚す、日本人からすれば自分勝手と取られる行動です。この倫理観からすれば、カンダタは再度地獄に落とされても当然でしょう。 この作品は西欧化し、近代化へと歩み始めた大正時代にあって、古来の"日本的なもの"を象徴的、心情的に表しています。ただ、穿った見方をすれば、カンダタは芥川自身であり、彼1人近代的自我に目覚めても、日本社会の個を滅す、旧来の圧力に負け、"向こう側"に行くことは叶わなかったとも読めます。やや皮肉な目で見れば集団の為に個を犠牲にする「自己犠牲」の物語であったらもっと一般に受けたかもしれません。 芥川自身、帝大英文科を卒業しており、西欧や近代文明への理解が深かった小説家でもあるので、彼の苦悩と葛藤がこの作品から読み取れます。 尚、この作品が面白くなかった人は小松左京のパロディがお勧めかもしれません。あまりにもB級映画的で皮肉が効いており、爆笑しました。こちらは非常に合理的精神に満ちています。 【余談】 こうした日本的思想は、今なお有効で、組織に対する忠誠心、従順さ、平和的で安全な社会を築くことに成功させ、日本人の美質として世界に日本を知らしめさせましたが、一方で従わない者に対する懲罰的傾向、個を滅す態度、年長者から下の者に集団の意識を強制的に共有さす働きとなって作用してきました。 技術の革新は日進月歩でありながら、人の意識変化はなかなか進まず、日本は云わば「新幹線が走る江戸時代」に未だ住んでいるのかもしれません。 しかし、今、グローバル化が急激に進む現代では島国日本社会にも変化の波が押し寄せ、こうした日本固有の考え方だけでは通用しなくなってきました。能力主義の導入、年功序列制度の取りやめなどがそうでしょう。とはいっても、まだまだ"旧来の日本的な考え方"は混在しています。今の20代30代はその矛盾や混乱を社会でもろに背負わされているのかもしれません。 |
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